Kikuchy's Second Memory

技術のこととか、技術以外のこととか、思ったことを書き留めています。

「この世は(時間を)奪ったもの勝ち」という状況は変えられるのか

人間という生き物は失うことについて敏感らしいです。
なんでも、「今10ドル失うが将来に25ドル手に入る選択肢よりも、今5ドル手に入る選択肢を選ぶ」ことが多いのだとか。
総合的には前者のほうが得なのですが、本能的に失うことを回避しようとするもののようです。


ところで、人間には時間という、非可逆な財産があります。
時間というのは便利なもので、将来的な自分への投資(勉強)や、他者へ提供することでお金に変える(労働賃金など)ことができるという性質を持っています。


時間は財産であり、他者から奪うこともできるのです。
例えば仕事を他人に押し付ければ、他人の時間を消費させて自分の時間を浮かせることができるわけです。
押し付けられた側にとって仕事から得られるお金が大きな価値を持つのならば、それは「仕事を巻き取ってもらった」ということになるので奪ったことにならないかもしれません。
が、押し付けられた側が、お金より時間に価値を感じていたら、もしくは押し付けられた仕事が何も産まないとしたらどうでしょう。
あるいは、押し付けられたものが仕事ではなくただの苦痛であったら?
価値が釣り合わないのですから、これは略奪、もしくは搾取です。


ところが奪われた時間を取り返すことはできません。
時間には不可逆性があり、何を持ってしても補填することができないのです。
いくらお金を積んだところで、時間は帰ってこないのですから。


(「時間を経過させる」ということは「人の命を削る」ことでもあるので、人間を若返らせる方法が開発されれば、また状況は変わるかもしれませんね! いつになるかはわからないですが)


つまり、奪われれば奪われただけ損が嵩んでいきます。
電気やお金は刑法で財産とされていますが、時間はそうではないので、司法に裁きを求めることもできません。
すると、時間を奪われたことで被った損失は本人にしか補填できないのですから、ますます損は積もっていきます。




この状況、変えられるのでしょうか。
私にはそうそう変えられないように思います。
奪われないようにするにはどうしたら良いのか、という学びを得られて、それだけです。
(または、人から時間を奪う方法の学びかもしれませんね)




奪い返せば良いのかもしれません。
しかしそれは新たな負の連鎖を生みそうでもあります。
それで精神をすり減らすのもまた、避けたい。


できることならこの状況を変えたい。
一体どうすれば、この状況は変えられるのでしょうか。