エンジニアを取り巻く業界の未来予想
エンジニアマネージャーに関する話題や技術広報に関する話題を、よく聞くようになりました。
多分、これからは「エンジニア自身」の需要より、「エンジニアをあれこれできる人」の需要が高くなるのかなぁ、なんて思ったりします。
これまで
(IT系の)エンジニアという職の理解がまだ浅かったからか、エンジニアそのものが希少であったからか、エンジニアを名乗る人全員の価値が高い時期だったのかなと思います。
製品のライフサイクルモデルによれば、ライフサイクルは次の順を辿るといいます。
- 導入期
- 成長期
- 発展期
- 衰退期
導入が終わって、成長期が少し落ち着いた頃が今、という気がします。
これから
真に必要とされているのは、(ビジネスの要件にもよりますが)「ビジネス上の要求をよく汲み取り、技術的見地から適切に要求を実現する方法を考え出し、高速かつ安価に成果物を生産し、その成果物が長期にわたって価値を生産し続けるようなものを作り出せる」エンジニアであると広く認知されるようになりました。
いわゆる「優秀なエンジニア」というやつでしょうか。
よく言う「エンジニアが足りない」というのは、「事業が必要とする水準で上記の条件に該当するエンジニアが足りない」ということでしょう。
すると、それに該当するエンジニアというのはかなり数が少なくなります。
今やソフトウェア開発は事業を動かす上で必須なのに、それを開発できないとなると問題です。
また、せっかく要求水準を満たすスペックのエンジニアを雇ったとしても、すぐに愛想をつかされて逃げられてしまってはたまったものではありません。
そこで需要が出て来るのが、エンジニアマネージャーと技術広報だと思うわけです。
エンジニアマネージャー
世はエンジニア大争奪時代。
条件や労働環境、人間関係、チームや会社のビジョンなどが自分の欲するものと合致しなければ、エンジニアはほかの良いところにすぐ移動してしまいます。
採用はタダではできません。
採用したのにすぐ他に行かれてしまっては、採用にかけた金銭的時間的人的コストが無駄になってしまいます。
それに、当該エンジニアが果たしていた役割の穴埋めだって容易ではないでしょう。
特に長くいるエンジニアであれば尚更です。
単にポストに穴が空くだけでなく、事業ドメインに関する暗黙的知識や人間関係における役割も欠ける事になります。
その人が居なくなることで、ほかのエンジニアがジワジワとやる気をなくしていくことだってあり得ます。
そこでエンジニアマネージャーが価値を発揮します。
(私が考えるエンジニアマネージャー像ですが)エンジニアマネージャーは、組織のエンジニアのタスクマネージングのみならず、メンタルケア的な役割を果たします。
また、エンジニアが今後どうなっていきたいのかなどの欲求を掘り起こし(あるいはエンジニア自身が気づいていなかった欲求に気付かせ)、それを叶えるために組織内でできることをします。
これらの活動によって、エンジニアの離脱可能性を低減する。これがエンジニアマネージャーの役割ではないでしょうか。
せっかく雇ったエンジニアを逃さないための役割ですし、プログラミングよりもエンジニアマネージングの方が難しいでしょうから、自然とその価値は高くなると思います。
技術広報
さて、そもそもエンジニアをどう雇いましょう?
エンジニア的に何も魅力が無いところに、エンジニアが突然求職してきたりはしません。
すると必然、エンジニアを雇うためには、エンジニアに向けた魅力の発信が必要になります。
(私が考える技術広報の理想像ですが)技術広報は、事業や会社のミッションの宣伝、労働環境や条件のアピールなどをエンジニア市場に特化して行います。
そうした採用広報の役割だけでなく、組織内のエンジニアの様子を外から見えるようにすることで、採用対象に組織にジョインしてもらった後のことをイメージしてもらったり、自己成長に有効な環境であることなどをアピールしたりします。
こうした活動によって、優秀なエンジニアの採用可能性を高める。そうしたことをするのが技術広報ではないでしょうか。
雇いたいと思えるエンジニアを引きつけることができ、またそうそう上手くできることでもないですから、その価値も高くなるのではないでしょうか。
その他
他にも需要が高まりそう(≒市場価値高そうで儲かりそう)なエンジニア関連の仕事があるのかなと。
- まだ優秀でないエンジニアを優秀なエンジニアに育てる仕事
- 現在はCTO業がこの役割を担っている気がする
- CTOは技術的な目線で経営をするのが仕事なはずなので、教育については専門職化するのかも?
- 専門外の人に専門職の仕事を啓蒙する仕事